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読んでから行く? 行ってから読む? 城を『知る・楽しむ本』あれこれ

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みなさんこんにちは、黒まめです。

お城ブームの今、城に関する書籍は初心者向けからマニアックなものまで、たくさん出版されています。
すべてを網羅することは無理なので、私が興味を持って手に取った本(紹介された本も含む)に限られていますが、私なりに分類して紹介したいと思います。

読んで知識を得てから攻城するか、攻城した後に読んで復習するか、もちろん読んで想像するのも楽しいと思いますよ。

そもそも、城って何だろう?

あらためて城について知りたい方におススメの書籍を紹介します。

『人生を豊かにしたい人のための日本の城』

「趣味としての城めぐりを有意義なものにする」というコンセプトで書かれたものです。

「城に行くとそれなりに歩くので健康によい」「知識があった方が城めぐりもおもしろい」という著者の考えのもとに書かれているので、初心者にもピッタリだと思います。

帯にある通り、「どうやって城は城になったのか?」の流れがとてもわかりやすく、城の概要をつかむのにおススメです。

『日本の城年表』

この本は、「古代から現代までの城の変遷が劇的にわかる」というキャッチコピーのとおり、城の歴史を追うことで理解を深めることができる書籍です。

近代の模擬天守やコンクリート天守などにも触れられており、そこも高ポイントだと思いました。

カラーなので視覚からの情報も多く、城以外の情報ともリンクしていてわかりやすいように思います。

榎本先生も薦めてくださっています!

城を知ると、行ってみたくなる

次に、城の歴史から、基礎知識、城へ行く装備まで書かれた実践的な書籍を紹介します。

『日本の城事典』『【決定版】日本の城』                                                                                                                                                                                                                                                                 

『日本の城事典』は、「基礎知識編」と「実践編」から成っています。                                                                                                                                        

「基礎知識編」では、歴史、構造、建物、攻城戦について実際の城をモデルにしながら詳説されています。特に攻城戦については、マンガで表されたりして、わかりやすく、おもしろいです。

「実践編」には、城めぐりの装備から実際の城の見方について、歴史、縄張り、天守とそれぞれの視点ごとに詳説されています。

『日本の城事典』は、絶版のようです。

『【決定版】日本の城』

『【決定版】日本の城』は、オールカラーでとにかく見やすいです。 

まずは、「1度は行きたい日本の名城 特選30城」として、著者おススメの城とその見どころが解説されています。
ここで、「行きた~い」となったら、次の章、「お城鑑賞の基礎知識」でお勉強し、さらに「日本城郭史」で知識を深めて……というつくりになっています。ポイントは、お城研究者の著者ならではの「世界と日本の城 比較城郭論」が書かれていることでしょうか。

最後に「全国名城ガイド」で、城好きの心をくすぐってくれます。

『日本の城語辞典』

辞典と名がつくものの、辞典として使ってよいのかどうか迷うところです(笑)。

もちろん城用語もありますが、城下町グルメ、お土産物、装備品から、城にまつわるマンガ、小説、映画作品、ゲームまでありとあらゆる情報がつまっています。

「えっこんな情報いる?」なんて思う情報(あくまで個人の感想です)まで、しかも商品名を堂々と書いているので、抱腹絶倒……もとい、とてもためになります。

ちゃんと、50音順に並んでいるので、知りたい単語だけでも引けますが、最初から読んで行っても飽きません。

やっぱり城は戦国時代⁉

戦いに特化され、多くの城が築かれた戦国時代の城は、城好きにとっても特別の思い入れがあるものですよね。

そんな戦国の城にスポットを当てた書籍を、次に紹介します。

『地形と立地から読み解く「戦国の城」』

「戦国の山城は、その立地もモノをいう」ことは、城好きのみなさんなら、よくご存じだと思います。

そんな築城の背景を知りたい人に特におススメします。

題名・サブタイトルからも、ずばりわかるように、「なぜ、ここにこの城を築いたのか」がホントに納得できます。読むと実際にその場を見てみたくなる衝動がムクムクと湧いてくるのではないでしょうか。

実際にその場に立って、築城の意味を考えるのが「無上の喜び」である上級者のみなさんには、攻城後の復習に用いられるのもよいかと思います。

『城郭考古学の冒険』

著者である千田嘉博氏が先駆者となった「城郭考古学」の成果と可能性について語っている書籍です。
この本を読むと、城郭から歴史を読み解いていくことは、文字資料だけではわからなかったことも明らかにする可能性を持っていることが実感できます。

図や写真が少ないので、文字だけで想像できる中・上級者向きですが、文章がわかりやすく、流れがつかみやすいです。

『戦國の山めぐり』

城だけではなく、城が築かれ、戦場となった「山」にスポットを当てて書かれた書籍です。

「砦」として使われた山、「決戦場」となった山など、山を巧みに利用した戦国時代の合戦の様子が垣間見えます。                 

軍事拠点としての城のあり方がわかりやすいです。

山城はおもしろい

山城は戦国時代に築かれたものが多いですが、もっと古い時代に築かれたものもあります。
地形を生かすという意味で城の原点かもしれません。

そんな「山城LOVE」な方におススメの書籍を紹介します。

『超入門 山城へGO!』

ズバリ、初心者が実際に山城へ行くために書かれたHow to書籍です。これから「山城デビュー」を果たそうという方にピッタリです。

裏山で遊ぶ感覚で行ける山城などの情報もあり、初心者でなくても、ちょっと気軽に行ってこようというときにもお役立ちです。知識の羅列ではなく、会話形式なので、とても楽しく読めます。

『日本の山城を歩く』

大型本で見やすく、20城の縄張・見どころなどを、実際に歩いているかのように解説した書籍です。
掲載されている写真がどこから撮影されているか、という情報は、とてもありがたいですね。

あそこから攻撃が……と横矢が掛かっているところも図示されて、よくわかります。

山城へ行く前にシミュレーションするのに最適です。縄張図の読み方の勉強にもなるのではないでしょうか。

『歴史家の城歩き』

中井均氏と齋藤真一氏の共著で、2人の会話形式で進んでいきます。
城に関しては専門家のお2人なので、城への思いも深く、登場する城もかなりマニアックです。「そこらの城じゃ満足できないぜ」な上級者におススメします。

字も細かく2段組なので、とっつきは悪いですが、読めば読むほど味わいのあるスルメのような書籍です。

さあ、城旅に出発しよう!

山城だけでなく、近世城郭などについての基礎知識や見どころなどを紹介してくれるガイドブック的な書籍を次に紹介します。

『新編 日本の城』

城の絵図、地図、写真が豊富で、視覚情報があふれています。
当時の様子を想像することもでき、言葉だけではわかりにくい見どころもよくわかります。

また、城だけでなく、城下町、博物館・資料館なども一緒に訪れることができるQRコード付きです。                                                                                                                                                                                                              

『日本の城を極める』

オンライン評定で薦められて読んでみました。「極める」シリーズの近世城郭版です。
カラー写真も多く、とても見やすいつくりになっています。

内容は、天守はもちろんですが、櫓、門、御殿、橋や番所などの建物、石垣、土塁、堀などの土木施設などについて、戦う城としての構造や工夫、政庁としての構造や工夫など、城の本質に迫るコアなものとなっています。

初心者も手に取りやすいですが、上級者も納得の情報量です。

『日本100名城と続日本100名城めぐりの旅』

以前別々に出されていた『日本100名城めぐりの旅』と『続日本100名城めぐりの旅』の合本版です。

城ごとではなく、「戦国の城の縄張(設計)を楽しむ」「立地・地形・地質を楽しむ」「城の変遷を楽しむ」「歴史的舞台を楽しむ」「石垣を楽しむ」「絶景を楽しむ」「城下町を楽しむ」の9つのテーマごとに見どころを解説してくれています。自分の好きなテーマで行きたい城を選ぶことができます。

「城めぐりのコツ」として、アクセス、装備(特に靴)、難易度の情報があるのもうれしいですね。

合本版になって、厚みが増したけれど、用紙を薄くしたため、逆に軽くなり、遠征のおともによいのではないでしょうか。

『城館調査の手引き』

城の見方、歩き方から縄張図の描き方まで、城にはまり楽しむための情報が詰まっています。

ここでの城装備は、他の城本より少し上級者向けです。縄張図を描くためのスケッチブックも入っていますから。

このように専門的な城の見方や歩き方が書かれていますが、初心者でもわかりやすいように、基礎知識も載せられています。

また、カラーの写真や図が多く、理解を助けてくれます。サイズも手ごろで持ち運びもOKです。

『城郭研究家の全国ぶらり城めぐり』

定年退職した著者が、仕事を離れ、のんびり気楽に城めぐりを楽しんでいる様子を描いた城紀行です。
お城と共にグルメ情報なども詰まっています。

城郭研究者としては、桜が苦手だった著者ですが、奥様と一緒の城旅は桜前線とともに……というのもなんかいいですね。

『城館調査の手引き』と同じく中井氏の著作ですが、比べてみてもユルさがいい感じの書籍です。

『地図でめぐる日本の城』

地図の専門「帝国書院」から出されている書籍です。
都道府県別の地図に城の所在地が記され、城同士の位置関係や距離も想像しやすく、同時に地形もよくわかります。

また、城の解説もあり、主要な城の解説については詳細な地図、写真など特に充実しています。

行きたい城を地図上からピンポイントに探せるのがいいですね。

『地図で旅する日本の名城』

地図上で城を探せる「城攻めMAP」がウリですが、鉄道路線のみなので、公共交通機関で出かける人にはおススメです。

五大攻城戦として「長篠の戦い」「小田原攻め」「大坂の陣」「箱館戦争」「西南戦争」の解説と跡地をめぐる旅の提案はとても興味深いです。

さすが旅の専門、JTBパブリッシングといった、「名城をめぐるモデルコース」も行ってみたくなりますね。

こういった地図に城を示すだけではなく、地図を使った城旅の情報も多いので、城攻め計画のおともにいかがでしょうか。

おわりに

私の独断と偏見で選んだ18冊ですが、いかがでしたでしょうか。

「えっこんな本もあるの?」なんて、手に取ってくださったらとてもうれしいです。逆に、「これおもしろいよ」という本もまだまだあると思います。レビューなどで教えてくださると、それもうれしいです。

ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。

   
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