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「陸奥宗光」とは? 教科書でもお馴染み、言わずと知れた不平等条約改正を果たした外務大臣です。今回、「おいたち」「龍馬と世界を夢見る」「和歌山藩政改革、新政府へ」「新政府に反発し、投獄…」「不平等条約と向きあう」「不平等条約改正」「宗光を支えた紀州の賢人」という7つの章立てで、不平等条約改正に至った宗光の生涯が、その関わった人たちとのつながりを表す品々を通じて理解できるように展示されていました。
印象に残ったのは、「おいたち」で触れられた、仕えていた徳川治宝の死に伴う父の失脚と「新政府に反発し、投獄…」で触れられた、新政府転覆計画への関与を疑われ投獄されたことの2つの逆境です。1つ目の逆境では、紀伊藩から離れ、東京で勉学に励み、2つ目の逆境では、獄中でも原稿の執筆、翻訳に勤しむなど、逆境にも負けないその前向きさです。今回のテーマとなっている、「紀州の賢人」たちも、そのような宗光だからこそ、支え続けたのだと思いました。ちなみに、獄中の宗光の家族を支援していた由良守応(もりまさ)の石碑が、少し前に訪ねた「興国寺」境内にありました! また、宗光を補佐し続けた従弟の岡崎邦輔の別荘は現存し、「純喫茶リエール」として営業されています。ワッフルが美味しいですよ。
これは、全て撮影禁止の今回の展示の中で唯一の写真スポットです。「陸奥宗光と記念写真を撮ろう」というコンセプトのようです。私は、「自撮り」というのが気恥ずかしくてなかなかできないのですが、今のSNS世代の若い人たちの興味を惹くかもしれませんね。リーフレットも分かり易い言葉で書かれており、夏休み中の小中学生をターゲットの中心に据えているのかも…と思いました。今回の展示で、宗光の不平等条約改正への道のりがとても分かり易く、「なるほど…」と思えたのも、そういった事情によるのかもしれません。「企画展(テーマに沿ったものを収蔵品の中から選んで展示する)」なので、こじんまりとしていますが、知っていそうで知らなかった陸奥宗光を知ることができた展示会でした。