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<城たび>犬山城への参加レポート

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皆さん、こんにちは。団員のワタナベです。

9/27(土)に開催された「城たび〈たかまる。さんからとことん学ぶ犬山城ガイドツアー〉」に参加しましたので、その様子をお伝えいたします。
今回の城たびも、ガイドのたかまる。さんと幹事のあきおさんのおかげで、とても楽しいツアーとなりましたので、その様子が少しでもお伝えできれば幸いです。

いざ天守へ……ではなく街中へ

今回の城たびは、名鉄犬山駅の目の前にあるホテルミュースタイルより出発です。
最初に軽い座学を受けて、いざ出発! 犬山城の公式サイトでは、このまま天守の方向へ向かえば徒歩20分で到着すると案内されていますが……。

いきなり全く天守とは違う方向へ。
今回の城たびでは天守だけでなく、城下町に残るお城の痕跡についてもたっぷり解説していただきました! 古地図を片手に、今この辺りかなと確認しながら進みます。

たどり着いたのは、閑静な住宅地。観光客とは無縁の場所で、何をしているかというと……?

ここのクランクは、かつての城門(木戸)の名残とのこと。
小田原城で有名な「惣構え」(城下町を丸ごと堀や土塁で囲んだ構造のこと)が犬山城にもあったとのことで、つまりはここからが当時の城下町となります。

たかまる。さん曰く「真正面のお店が城門に見えてきませんか? 2階の窓から弓や鉄砲で狙われているように感じませんか? イメージを膨らませて、当時の城下町を想像してみましょう!」。

クランク部分には、いかにも門の柱が建っていたような石がありました。
史跡発見! と思いきや、この石の正体はよく分かっていないそうです。

この辺りから町の中心を見ると、微妙~に上り坂になっているのが分かります。
犬山城は木曽川沿いの高台に築かれ、城下町も台地に沿って広がったようです。このまま進軍すれば、あっさり天守まで辿り着きそうですが……。

城下町には今も丁字路や細い道が多く残っていて、そう簡単には天守の方向には進めません。
20人ほどの集団でも統率は大変なので、これが数千人で城攻めなんてことになると、現場は相当混乱しそうですね。

観光客で混雑している本町通りは、今回のツアーでは一瞬で通過。ベビーカステラの甘~い香りに誘惑されつつ、次の痕跡へ。

本町通りの一本隣の大本町通りを北に進みます。
今でこそ地元の生活道路ですが、かつては侍の屋敷が並んでいた古い通りとのこと。

ここで、たかまる。さんの本拠地を発見。ただしガイドで飛び回っているため、オフィスにはいないことが多いそうです。

そのまま北上し、常満寺に移築されたという犬山城の城門を見学。
こちらは松の丸の裏門にあたるそうで、後に登場する「連続外桝形」の一部になります。屋根瓦には魔除けの桃の鬼瓦が載っていて、犬山城天守との共通点も見られます。

さらに北側の犬山北小学校の手前で解説中。全く面影がありませんが、我々が立っていた場所が城の外堀になるそうで、このまま堀に沿って歩きます。

この辺りに城の入口の大手門があり、発掘調査の結果、絵図とほぼ一致する形で堀の石垣などが見つかっているそうです。
今後の整備に期待したいですね。このまま北の天守に向かうと思いきや……?

めちゃくちゃ細い道に入っていきます。この道も古い絵図に描いてあるルートそのままなのですが、詳しい人に解説してもらわないと絶対気づきませんよねぇ……?

ちょっと急な坂を降りた先には小川がありました。なるほど、これが外堀の跡か!
……と思いきや、明治以降に水害対策で掘られた人工の水路とのこと。本物の堀跡はもっと外側に残っているそうで、犬山城の広さを見誤っていました……!

この後は、城とまちミュージアムへ移動し、展示品を見学しました。
犬山の街のジオラマは江戸時代の犬山祭りの日を再現したものですが、家で布団を干している人などもいて、生活感のある再現になっています。

ここからは、いよいよ城内に突入します。たかまる。さんオススメの、連続外桝形を進んでいきます。

大手道の左側は大きく深い空堀、右側には兵士がびっしり控えていそうな松の丸と、さらに奥には城門が行く手を阻み、突破の難易度はかなり高そうです。

なだらかではありますが、上り坂が続きます。左右は曲輪で、敵は当然タダでは通してくれません。

石垣の上から狙われ放題の攻城団ご一行。私も何回討ち死にしたでしょうか……?

死線をくぐり抜けて、ようやく天守前へ到着!
駅からは徒歩20分のはずが、この時点で2時間半以上経過しています。

城内でもたかまる。さんのガイドは続きます。柱をライトで照らして、何が見えるのでしょうか?

柱の右半分にノコギリで切った跡がキレイに残っています。
右側にしか跡が無いのは、半分切ったところで木材をひっくり返して別方向から切ったからのようで、昔の職人さんの仕事の様子が伝わってきます。

ここの畳の間も当初は普通の板張りの床だったそうです。天守がここまで永い時間を経る中で、いろんなリフォームがあったんですね。

最上階の廻縁(まわりえん)からは、名古屋方面を一望できます。ここから小牧・長久手の戦いに向かった池田恒興もこの景色を見ていたのでしょうか…

天守を出る頃には閉城の時間が迫っており、蛍の光をBGMに退散しました。

登城前は多くの観光客がいた廻縁も、最後にはさすがに誰もいませんでした。最後にパシャリと一枚撮影して撤収し、懇親会の会場へ皆で向かいました。

おわりに

私が犬山城に来たのは約2年ぶりでしたが、2年前に来た時は

①本町通りで食べ物やお土産を物色(何を食べたか憶えていない)

②城とまちミュージアムでジオラマを見る(この時は「へー」としか思ってなかった……もったいない!)

③天守に行って、混雑に巻き込まれる(見学の内容よりも、行列に並んだ印象が強かった)

という、昨今の天守のある城でありがちな行動パターンで、あまり楽しめた記憶がありませんでした。

一方今回は、たかまる。さんの濃密なガイドが最初から最後までぎっしりで、城下町まで丸ごと含めた犬山城について深く知ることができました。

上質な知識のアップデートができる「城たび」は全力でおススメできますので、また募集された際にはご参加を検討してみてはいかがでしょうか?

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。また次のお城でお会いしましょう!

   
この記事を書いた団員

ワタナベさん

静岡県を中心に城巡りしてます。平城よりも山城派。でも平城も大好き。 ダイエットのために山城巡りを始めて、下山後に大盛でご飯を食べてしまう日々を過ごしております。

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