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会場レポート【お城は迷路?!お城イラスト原画展】

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2024年 明石市立文化博物館夏季特別展
「迷路あそびからお城イラストへー香川元太郎の作品世界ー」

期:2024年7/13(土)~9/1(日)
観覧料:1,000円/大学・高校生700円/中学生以下無料

7月中旬の土曜日、招待券を手に明石市立文化会館(兵庫県明石市上ノ丸2-13-1)へ。 お城のイラスト原画を見に出かけたのですが、子どもたちもお城好きの大人たちも楽しめる工夫がいっぱいでした。夏休み中のお出かけ先を考えているみなさんや、ちょっと内容が知りたい方のご参考になれば幸いです。

次の様にまとめています。 ※今回の展示は写真撮影OK、SNSへ掲載は人が入らないようにとのことでした。

  1. 会場の様子
  2. おすすめポイント(子ども向け)
  3. お気に入り
  4. おみやげ
  5. 関連講座
  6. 参考)我が家の香川元太郎イラストコレクション
  7. 余談)山鳩、阿津賀志山防塁の存在を知る

1、会場の様子

会場は1階と2階の2カ所に分かれ、エントランスホールには明石城のシンボル、坤(ひつじさる)櫓巽(たつみ)櫓(やぐら)の模型が設置されています。

<第1会場 1階 特別展示室>

灰色の仕切りの後ろにダンボール迷路
順路は香川元太郎氏こども時代の写真からはじまります。

ガラスケースの中は城郭イラストレーター誕生までの足跡をたどっています。写真手前は、書籍、藤岡通夫著『城 -その美と構成』のとあるページが開かれていて、そのページの「迷路のような縄張り」というフレーズが香川氏と城を結びつけたそうです。

「高校時代の取材アルバム 姫路城」 白黒の写真とコメントがアルバムの台紙にバランスよく並んでいます。当時の写真は、撮り終えたフィルムを写真屋に持って行って現像してもらうので手にするまで数日かかりましたね。

第1会場の後半は、 子ども向け絵本『時の迷路』『忍者の迷路』からのイラスト原画が20点。 作品の隣のキャプションには絵にかくされている「かくし絵」をさがす指令が書かれています。 壁面に並ぶ原画は少し下向きに展示されていて小さいお子さんもみつけやすそうです。この作品のタイトルは「江戸時代」。 天守と城下町、そこに暮らす人々が描き込まれていて、さながら洛中洛外図みたいです。

*第1会場の「かくし絵」さがしにチャレンジ!

絵本『忍者の迷路』より「大名の城」の原画と、拡大版が並んでいます。キャプションにしたがって「かくし絵」探しにチャレンジ! 「刀」の形が10コかくれているそうですが、私は6コ見つけるのが限界でした。

<第2会場 2階ギャラリー> 

フロアの床面には子ども向けのコーナーが二つ、周囲の壁面には歴史考証イラスト原画がずらりと並んでいます。

この写真の中央は「姫路城の迷路」。 靴を履いたまま迷路遊びができます。
壁面の原画は第1章から第7章まで、「第2章 戦国大名の居城を描く」、「第6章 築城ラッシュ期のお城を描く」などと分類されています。 「さがし絵あそび」のプレート(漢字にふりがな付き)がついたものが多いですが、作品は大人の目線の高さに掲示されています。

「第4章 信長のお城を描く」

「鳥取城攻囲戦」のイラスト原画。 キャプションの上のイラスト縮小版には、武将たちの陣地などの文字情報が加えられています。 灰色のQRコードを読み取ると、Googleマップ上での城の位置だけでなく、「ちょっとひとこと」など、より深い情報を得られます。 スマホの機能「ホーム画面に追加」をしたら自宅でもゆっくり読むことができました。

「鳥取城攻囲戦」の太閤ケ平部分をクローズアップ。 本当に細かいタッチです。

「第5章 秀吉のお城を描く」

「徳島城」「豊臣時代の大坂城天守」の原画。

「豊臣時代の大坂城天守」のクローズアップ。
天守を見上げてご満悦の秀吉が描かれています。

これは「名護屋城一帯」の原画の一部をクローズアップ。 
幻の天守が描かれています。

左から「松尾山城」「上田城主要部」「伏見城と巨椋池」。 中央の黄色いプレートには「関ヶ原の戦いとお城」とあります。「松尾山城」の原画の前で、小学生の男の子が布陣の様子を母親に向かって熱く語っていました。
この少年は、この日の関連講座にも参加していて、講座後に講師にたくさん質問していました。

<明石城コーナー>「明石城イラストのミカターさがしてみようくらべてみようー」

播磨国明石城図/正保元年(1644)築城当時寛永7年(1630)頃の明石城のイラスト(拡大版)が並んでいて見比べられます。

明石城クリアファイル

団員の方でしたらご存知の方も多いかと思いますが、この明石城のイラストはクリアファイルになっています。 もう一方の面は初代明石藩主小笠原忠政です。これは以前、あかし案内所(明石駅南口を出て右手すぐ)で購入しました。

明石城のイラスト原画の前には『明石城完全攻城ガイド』(右側)が展示されています。(当博物館で販売中)

2、おすすめポイント(子ども向け)

◇ダンボール迷路 / 第1会場 

大人の私も挑戦しました。

姫路城の迷路(巨大フロア迷路) / 第2会場 フロア   

との四門から水五門までたどる迷路。 白鷺は優雅に、城兵や忍者はあちこちで忙しく動き回っています。見ていて飽きない楽しいイラストです。 

◇お城にあるものをさがせ! / 第2会場 壁面

この「大坂冬の陣」のイラストは拡大されたもの。 原画ではないので「さわれるよ」 のマークがついています。 天守本丸石垣・土塁をさがしてみよう。

◇陣羽織を羽織ってみよう / 第2会場 フロア

前立てのついた兜をかぶって武者気分。テーブルの上は発泡スチロールを使った工作コーナー「お城をつくってみよう」があります。 靴を脱いで遊びます。

3、お気に入り

松本城鳥瞰

松本城に馬出が4つ⁈ 今回初めて知りました。出展リストで確認すると、このイラストの初出は『名城を歩く 7』とあります。これは香川氏のイラスト集『日本の城』『戦国の城』には載っていないのでここでじっくりみたい作品です。

古宮城 と 復元ジオラマ(1/1000)

これぞ土の城。未攻城なので興味をそそられました。

4、おみやげ

1階エントランス 今回の展示の臨時販売コーナーの様子。 香川氏のイラスト絵はがきや書籍などを購入できます。

『明石城完全攻城ガイド』100円は 入口左手のカウンターで購入できます。

■自分へのおみやげ
『ゲンタロウ先生のさがし絵ブック』(500円 編集:明石市立文化博物館)は迷わず購入。
武将シールは、アンケートを記入&提出して貰いました。(第2会場出入口に記入コーナーがあります)
10人ほどの武将の中から私のチョイスは池田輝政小笠原忠政三好長慶北条氏康。  
武将シールのラインナップは会場で実物をご覧ください。

スタッフの女性たちとのやりとり

スタッフ

アンケートを2枚書いてもらったので4武将、どうぞ! 

山鳩

これはどなたが描いたんですか? 

スタッフB

私が描いたんです。

山鳩

みんな瞳がキラキラですね! 

スタッフ

私がイケメンに描いてってリクエストしたんですよ。

山鳩

なるほど、どれもカッコいいから迷いますね…(あなたの)お気に入りはどれですか?

スタッフB

この〇〇氏です どの武将もほとんどイメージ先行で描いてますが、小笠原氏だけは肖像画の通りに眉毛をキリっとさせました。

さて、○○氏とは誰でしょう。 私の選んだ4武将に入っています。 ヒント:姫路城、揚羽蝶紋。

5、関連講座

関連講座として「これもお城⁉専門家によるお城の話」が3回開催されます。7/20(土)はその第1回目で、兵庫県立考古博物館の学芸員による講座があり参加しました。 

「遺跡立体図」という新技術で 兵庫県の城を再調査すると新たな発見があったとのこと。 例に挙がった城跡は攻城済みのものが多い中、 講師が自己紹介の時にちらっと口にされた東北にあるどこまでも続く土塁跡(阿津賀志山防塁)のことが深く印象に残りました。 はじめて聞く土塁だったので講師に漢字を教えて頂いたのですが、このメモが後日プチサプライズをもたらしてくれました。 「余談」へ続きます。

参考)我が家の香川元太郎イラストコレクション

ワイド&パノラマ鳥瞰・復元イラスト『戦国の城』『日本の城』(ワン・パブリッシング)、オールカラー徹底図解『日本の城』(学研プラス)、『時の迷路』『自然遺産の迷路』(PHP研究所)、 クリアファイル:「諏訪原城」

この中で18年ほど前に初めてに購入したのは迷路の絵本で、最新&お気に入りは諏訪原城ビジターセンターで買ったクリアファイルです。 

余談)山鳩、阿津賀志山防塁の存在を知る

今回、団員ブログに初めて挑戦しました。 まとめるにあたって、出展リストと自分が撮った写真を照らし合わせたり、会場で鑑賞した原画を持っている本で見直したりしたのですが、その作業の中で、関連講座で知った阿津賀志山防塁のイラストが『日本の城』に掲載されていることに気づきました。そのページには、講師が現地でうなったという巨大な土塁が、時空を超えたダイナミックかつ緻密な考証イラストで再現されていました。なんという遭遇。小さな偶然が重なって生まれた個人的なささやかな感動の瞬間でした。そのイラストからは奥州合戦の雄叫びまで聞こえてきそうです。これこそ香川氏のイラストの凄さ。原画展の余波、余韻を今も楽しんでいます。 

攻城団のプレゼント企画で当選した招待券だったので、この企画展の様子はぜひレポートしたいと思っておりました。いかがでしたでしょうか。ブログにまとめるのはなかなか骨が折れましたが、自分の蔵書を読み返すいいきっかけにもなりました。

今夏も団員のみなさんが楽しく攻城ライフを送られますように。

2024年8月1日

攻城団団員 山鳩

   
この記事を書いた団員

山鳩さん

播磨から西へ行ったり東へ行ったりお城を楽しんでます。城柵にも台場にも出かけます。一推しの櫓は明石城の「坤(ひつじさる)櫓」です。

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