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茶室探訪〜小磯城編〜

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どうも、はつみんです。

このシリーズは『お城の中にある茶室』を訪れ、茶室の雰囲気を感じながら茶の湯を身近に感じていただけたらいいな……という趣旨でお送りします。
おまけ程度に、用語解説や茶の湯の面白さなどを伝えられたら幸いです。

それでは今回も一服差し上げます。

せっかく大井川を越えたので

名古屋に住む民としては、静岡より東側(特に大井川を越える)には、わざわざ行かないと縁がないエリアです。
まさに超すに越されぬ大井川。今回、一泊二日の攻城では初日は石垣山城をメインに据え、せっかく神奈川方面に来たのなら、ということで同行者にお願いして大磯町にある小磯城も予定に組み込んでもらいました。

小磯城に行くことになったいきさつは、「茶室バッジ」のために茶室のある城を調査した際、呈茶(予約しないで訪問したらお茶が飲める)を行っている城の一つとして候補が上がりました。

詳しくは以前の記事をご参照ください(情報提供もお待ちしております)。

石垣山城を後にしバスで早川駅へ、JR線に乗り換えて二宮駅で下車、大磯駅行のバスに乗り換えます。
小磯城は「城山公園前」バス停が最寄りですが、今回訪問した主な目的が「茶室・城山庵」で、時間の都合もあったため、「本郷橋バス停」で下車し、西門から入りました。

城山庵の営業時間は9:00~16:00(ラストオーダーは15:30)、喫茶のほかにも貸室や茶道体験教室なども行っているようです(大磯城山公園公式HP)。

席についてから注文し、会計は後払いです。私はお抹茶と生菓子のセットを注文しました。
スタッフの方はお一人だったので、お抹茶をご用意いただいている間に、併設の茶室を見学します。

如庵写しの茶室

旧正伝院主室と同じ間取りで七畳の主室・六畳の控えの間、犬山にある如庵写しの小間席があります。
如庵は3回引越しをした茶室です。
元は織田有楽斎が建仁寺の塔頭・正伝院境内に建てた茶室で、明治41年(1871年)民間に払い下げられたあと、書院、茶室、露地を東京麻布の三井本邸へ移築されました。

これが如庵1回目の引越しです。次に昭和11年(1938年)東京から大磯の別邸に2回目の引越し、次は名古屋鉄道株式会社が購入し、現在は犬山市の有楽苑に3回目の引っ越しで移築されました。
京都から東京に引っ越した際は、解体せずにそのまま運んだとのことで、道幅が狭い箇所にあった家には、三井家がお金を払って立ち退いてもらったとの逸話もあります。

こちらは七畳控えの間。旧正伝院書院の主室と床の間の位置などが同じ。

如庵写し。鱗板やアーチ状の火灯も再現されています。

床柱もオリジナルに似せようとしています。

さすがに暦張りまでは再現は難しいですが、腰張りは歌集の一説でしょうか? (聞き忘れました。)

ちなみに、よく見る赤丸で囲ってあるものは「助炭(じょたん)」と言います。

助炭は茶道具の一つで、もとは炭の保温をするために用いられたもの。周りは和紙が張られています。

この下には釜を据える「炉」という空間があるため、踏み外さないようにかぶせられていることが多いです。

※写し→茶室の場合では、元の茶室に対して、間取りを同じように作った茶室。機能面は厳密には違うこともあります。

お抹茶をいただく

上生菓子とお抹茶のセットは600円(2025年12月時点)。
お菓子は大磯町内の和菓子屋さんのもの。お抹茶は京都のものを使用しているとのこと。
この日のお菓子は白玉椿。すっきりした甘さの練りきり製のお菓子でした。
他のメニューも色々あって、何回か来てもよさそうです(地域振興サイダーも気になった)。

メニュー。どれもお手頃価格。

お会計の際に、スタッフの方に「お茶を習われているんですか?」と尋ねられたので、「まだ2年ちょっとなのですが……」とそこから流派や教室の話になり、なんとその方も同じ表千家で習っていることが判明しました。
(おそらく、同行の友人たちに茶室の解説をしながら見学していたので)

犬山の如庵にも訪れたことがあるということで、お話が弾んでとても楽しかったです。

赤い毛氈(もうせん)の上なら、お座敷でもお抹茶をいただけるようです。

閉店ギリギリまでいさせていただき、外側も見学します。

露地(外側)の見学

腰掛待合、お茶会に招かれた客はここでホスト側の迎えを待ちます。

右寄りの小さな扉が中門。亭主はここで客を迎え、お互いに無言で挨拶をしたあと茶室内に入っていく。

※無言なのは中門が聖と俗の境界であり、聖(茶室)にいる亭主と、俗(外側の世界)にいる客では、同じ言語を持ち合わせないため茶室内に入るまでは無言で動作を行う、とする説もあります。

一服茶の湯講座

「茶道のお稽古ってなにするの?」
疑問に思われる方も多いかと思います、入る前までは漠然と「お客様の前でお茶を点てられるようになる」だけだと思っていました。
ですが、お茶を習い始めて、それがほんの一部だということを実感しました。

茶の湯の最終目的は、「茶事(ちゃじ)」と呼ばれる正式なお茶会を主催することだと言われます。

茶事は親しい友人などを招いて行うお茶が主役のホームパーティ。
茶道教室は茶事を行うために必要なノウハウを学ぶところ。
招待をする側、招かれる客どちらにもルールがあるのがお茶の世界だということは知られていることかと思いますが、茶道教室ではそのために必要な「客の作法」を学んだうえで、主催側(亭主)の作法を学びます。
それが、点前を分割して行う「割り稽古」、それをつなぎ合わせた「点前」、点前の中で道具の扱い方、立ち居振る舞い(襖の開け閉め座敷での歩き方なども)なども教わります。

習い事としてのお茶の目的は人それぞれだと思います、私も「お点前ができるようになればいいや」とだけ思っていました。

しかし、それを通じて様々なことを学べることが、今はとても面白いです。

前から言っていますが、歴史好きと親和性の高い趣味じゃないかと思っています。

なので、茶の湯好きの仲間をもっと増やしたいと思っています。

興味がある方は、まず抹茶を飲んでみることから始めてみるのはどうでしょうか。

そのために魅力をお伝えできたらいいな、と思っています。

遅くはなりましたが、今年も茶室探訪をよろしくお願いします。それではまた。

   
この記事を書いた団員

はつみんさん

愛知県を中心にゆるゆると攻城しています。2023年よりお茶を習っています。茶の湯、お抹茶好きが増えたら嬉しいので、茶の湯の楽しみをわかりやすく伝えたいと思っています。お茶の流派は表千家です。 猫と城とお酒と美味しいものが好き。

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