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皆さん、こんにちは。団員のワタナベです。
先日、城たび〈遠江を制する、ガイドと巡る高天神城ツアー〉を開催しましたので、その様子をレポートします。高天神城の魅力が少しでも伝われば幸いです。
駅での集合~開始まで
今回は参加者の半数ほどが公共交通機関、残りが自家用車での参加だったため、JR掛川駅にて集合して皆で車に乗り合わせて高天神城に向かいました。
私もドライバーの一人だったのですが、予定していた駐車場に停められず、危うく幹事が遅刻するところでした……集合場所で「あれ? 幹事が来ないな?」とハラハラさせてしまった皆さん、すみませんでした!
そんなトラブルもありつつ、無事に高天神城の駐車場に到着しました。

以前の攻城団テレビでこうの団長がおっしゃっていた、城たび用の手旗がここでお披露目です。一気にツアー感が出て、「城たび」っぽくなってきました!

同行してくださるガイドのお二人とも合流し、全員が簡単な自己紹介をしてスタートです。
今回は、高天神城観光ボランティアガイドの会の、小出さんと藤田さんにガイドしていただきました。

まずは登城口近くの看板の前で集合写真を撮り、お城の概要を説明していただきました。
この後に徳川軍と武田軍の2チームに分かれて攻城開始です。私は徳川軍の一員として、小出さんにガイドしていただきました。
二班に分かれてガイド開始

スタートしてすぐに搦手門跡に着きました。この道は後世に神社の参道として整備されているそうなので、この付近はあまり門の跡という雰囲気はありません。
しかし、事前に皆さんのスマホにダウンロードしていただいたアプリ「バーチャル攻略高天神城」を起動することで、ここにあった門の復元CGを見ることができました!

そのまま進むと、急な階段と崖が現れました。
この急峻さが高天神城が堅城と言われる理由なのですが、人工的なものではなくほぼ自然地形のようです。まさに天然の要害ですね。

途中にある窪みには水が溜まっており、三日月井戸と呼ばれています。
水量も少ないため実際に井戸として使えるかは微妙ですが、ここの水は枯れずにずっと残っているそうです。

中には金魚が一匹ゆっくりと泳いでいました。他の団員さんからは「前に来た時はここの金魚はもっと小さかった」という声も。
餌があるようには見えませんが、ずっと金魚が生息し続けているのも不思議ですね。

階段を登り切ったところで、高天神城の歴史を解説していただきました。
なお、武田信玄でも攻め落とせなかった高天神城を武田勝頼が落としたことで、勝頼の武名が轟いたという話が有名ですが、信玄の遠江侵攻の段階で一度落城した(降伏させた?)という説もあるようです。

武田家の城であった頃は城のすぐ南まで海が繋がっており、城への物資の補給は船で海から運ぶルートと、塩買坂を通って陸路で運ぶルートの二つが使えたそうです。
徳川軍が兵糧攻めをした際にはこれらのルートを塞ぐようにびっしりと砦を配置し、徹底的に物資の補給を邪魔したとのこと。なかなかやることがエグい……。

現代の徳川軍である我々は、先に西峰側に向かいます。この先は、武田勝頼が改修した遺構が良好に残るゾーンになります。

振り返ると、武田軍の皆さんが解説を受けていました。
彼らは東峰から回るので、また後で合流しましょう!

山の上ですが、大きな井戸もあり水の確保は充分にできたようです。
戦いのための設備ですが、ガイドの小出さんからは「先日この井戸に落ちてしまった猫を、地元の消防士さんが無事に救出した」という、なんとも平和なエピソードを披露していただきました。

奥に進むと二の丸跡に到着です。
他の団員さんからは「前に来た時はこんなに綺麗じゃなかった!」「すごく見やすくなっている」という声が。大河ドラマ「どうする家康」に合わせてかなり手を入れたようで、解説の看板も新しくなっています。

さらに進むと、大きな堀切に行く手を阻まれます。ここは一旦迂回して、戦国時代には無かった道から下に降りていきます。

広めのスペースに降りてきました。
奥にある道は本来は無かったもので、ここに誘い込まれた敵はどこにも進めず、左右の高所から一斉に攻撃されてしまう「キルゾーン」だったと考えられているそうです。

先ほど見下ろした堀切を横から見たところ。最初に駐車場で配られたお城トレカにもここの写真が使われていて、高天神城の見どころの一つになります。

そしてこちらが最大の見せ場!
細長い曲輪に沿って横堀がまっすぐに100m続いています。武田軍は写真左側の緩い斜面から攻め寄せて落城させたのですが、その弱点を克服するために作り上げたのがコチラです!

反対側からもパシャリと撮影。ゴリくんさんが堀を歩いていますが、ここに来た敵兵には写真左側の土塁の上から矢と鉄砲の雨あられが待ち構えている訳です。
なお、発掘調査の結果から、戦国時代当時の堀はもっと深かったことが分かっているそうで、VRアプリでも当時の難攻不落っぷりが再現されていました!

横堀の突き当りには別の斜面があり、横堀はそのまま斜面を落ちていく竪堀となります。
この辺りは竪堀と横堀が連続して続いており、念入りに防御されています。

この付近は、昨年11月に開催された掛川市の「史跡磨き上げプロジェクト」という企画で、草刈りや樹木の伐採を行った場所になります。
私も参加したのですが、藪に覆われていた竪堀・横堀の形がはっきり見えるようになり、ガイドの小出さんも見どころが増えたと喜んでおられました。

ここからはUターンして、城の中心部に攻める方向で進みます。
先ほどの竪堀・横堀を突破できたとしても、こちらの切岸に登っているうちに撃たれてしまいそうですね。

登った先は「堂の尾曲輪」と呼ばれ、兵士がスムーズに移動できるよう平坦になっています。
先ほどの長い横堀があった斜面とは反対側を見てみたのですが、こちらは急な崖になっていて、横堀を迂回しても攻めるのは難しそうです。

何とか曲輪を制圧したと思いながら、城の中心に向かって攻め寄せていきます。しかし待ち構えているのは……。

またしても堀切があり、容易には進めません。先ほど横から見たのとは別の堀切で、二段構えになっています。
多少崩れているかもしれませんが、硬質の岩盤でできた高天神城だからこそ、ここまで深い堀切が残っているのかもしれませんね。

その後、最初に見た堀切に戻ってきました。
ここを登るのも大変ですが、奥にはさらに門があったことも分かっているそうで、ここまでやられたらそりゃ突破できないなと思わず降参してしまいました。

お次は西峰で最も高い西ノ丸へ登ります。西峰に二の丸と西ノ丸があり、東峰に三の丸と本丸があるので少しややこしいです。この辺りのネーミングはちょっと要検討ですね!

神社の本殿がある西ノ丸に到着です。これで西峰を一周したので、反対側の東峰に向かいます。

東峰側にやってきました。このまままっすぐ行って本丸へ向かうと思いきや……?

本ルートから外れた脇道に進みます。
この辺りは最近ボランティアガイドの皆さんで切り開き、見学できるようにしていただいたそうです。日々整備をしてくださっている皆さんに感謝です!

次に本丸のすぐ下にある的場曲輪にやってきました。
昔はここで弓矢や鉄砲の訓練をしていたと伝わり「的場」と呼ばれたようですが、発掘調査の結果では石敷きの遺構が見つかったため、火薬庫もしくは兵糧庫があったと考えられているようです。

この辺りも数年前に比べてかなり整備したようで、団員さんからも「以前は幽霊が出そうな雰囲気があったけど、だいぶ綺麗になったね!」というコメントが。
小出さん曰く、ここを含めた周辺にはそれなりの数の幽霊の話があるそうで、それだけ高天神城での壮絶な戦いが地元の方の心に残り語り継がれてきたということなんでしょうね。

続いて、徳川家臣の大河内政局(おおこうち まさもと、又はまさちか)が閉じ込められていたという伝承のある石窟へ。
アプリではここで「大河内政局を救い出せ!」というミニゲームがあり、私は無事に救い出すことができました。

さて、細い道を通っていよいよ本丸へ向かいます!

ついに本丸へ到着です。この日はよく晴れていて、とても良い景色が見れました。

良い景色を堪能した後は、山を反対側に降りる方向に進んでいきます。

三の丸に到着しました。
ここではアプリにて高天神城にまつわるクイズが出されました。何回かやってみたのですが、毎回問題が変わってパーフェクトは達成できませんでした。残念!

追手門跡まで降りてきました。右側に大きな杉の木がありますが、かつてはもう一本杉の木があって、ちょうど門のようになっていたそうです。

追手門跡を見たら、今まで下ってきた道を一気に登っていきます。

西ノ丸まで戻った後、さらに奥にある馬場平を目指します。ここにも立派な堀切があり、裏側に対する防御にも抜かりがありません。

馬場平に到着しました。
馬場という名前ですが、本当にこんな所に馬がいたのかな? と団員同士で話しながら武田軍の皆さんを待ちました。

ここからの景色も良い眺めでした。色んな方向を見渡せることも、戦うための城に必要な条件ですね。
この後武田軍と合流して、集合写真を撮って山を下りました。

最後に駐車場まで戻ってきて終了です。ガイドのお二人、ありがとうございました!
この後は掛川駅まで戻ってきて、皆で懇親会を行いました。
皆さんのお城愛にあふれたトークを肴にお酒が進み、楽しい会になりました。参加してくださった皆さんに感謝です!
終わりに

団長のレポート記事では今回が静岡県で初開催と書かれていましたが、「あれ、そうだっけ?」と思えるほど参加者の皆さんがテキパキと動いてくださり、スムーズに進行することができました。
懇親会でも静岡県内のお城で皆で攻城したい所を多く挙げていただいたので、またいつか静岡県内で城たびができればと考えております。
写真の「掛川三城読本」は、ガイドの小出さんも宣伝されていましたが、高天神城の解説が図と写真付きできれいにまとめられており、今回のツアーを復習するうえでとても役立ちました。
掛川城や横須賀城の周辺も含めた見どころが多く掲載されていて、この3城が好きな方にはおススメです。
長い記事になってしまいましたが、ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の城たびにてお会いしましょう!