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茶室探訪第3弾、今回は名古屋城へ行ってきました。
このシリーズは『お城の中にある茶室』を訪れ、茶室の雰囲気を感じながら茶の湯を身近に感じていただけたらいいなぁ……という趣旨でお送りします。
おまけ程度に、用語解説や茶の湯の面白さなどを伝えられたら幸いです。
それでは今回も一服差し上げます。
近くて遠い名古屋城
近くに住んでいるものの、なかなか足の遠かった名古屋城。
1月の半ばに、やっと行ってきました。
今回の目的は「余芳(よほう)」。
名古屋城では現在、名勝・二之丸庭園の整備が進められており、その一つに『余芳復原整備計画』があります。
その余芳の近況を見に行ってきました。
2024年の秋以前に名古屋城へ行かれた方、二之丸庭園の北側でこんな看板を見たことはないでしょうか?
余芳とは
江戸時代後期、尾張徳川家第10代当主:斉朝(なりとも)の時代に二之丸御殿の改修に伴って、庭園も築城時の儒教色の強い中国風庭園から、饗応(きょうおう)目的の大名庭園に改修されました。
改修された庭園の図は『御城御庭絵図(おしろおにわえず)』という絵図が残されており、それをもとに現在整備が進められています。
その時代のお茶屋(=茶室)の一つが余芳です。
明治時代に民間に払い下げられ、昭和48年に名古屋市の指定文化財になりました。
その後、名古屋市に寄贈され、解体調査の後、元の場所に復原されることになりました。
名古屋城のスタッフさんに聞いたところによると、建物自体は完成したとのことですが、露地(茶室に付随する庭園)の整備もあるため、公開まではあと一年以上はかかるとのことでした。
整備計画を見ると、6つの茶室のうち「余芳」「風信(ふうしん)」が現存しているため、そのうち風信も戻されるとのこと。
何年先になるかはわかりませんが、そちらの完成も楽しみです。
そのほか、名古屋城御深井丸(おふけまる)には通常非公開の茶室がありますが、春と秋に一般公開があるので、その時にレポートしたいと思います。
お抹茶を飲もう
なんだか抹茶が飲みたくなってきたなぁ……。
ということで、名古屋城内にはお抹茶がいただけるスポットに立ち寄ります。
二之丸庭園にある「二の丸茶亭」
金の茶釜が置いてあるのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
正式名称は「真形釜(しんなりがま)丸八文様(まるはちもんよう)鯱(しゃち)常環付(じょうかんつき)」です。
初代天守に載っていた金の鯱の燃え殻で作ったものです(茶亭のものは複製)。
お抹茶(お菓子付き)600円とリーズナブル。お菓子は日替わりです。
この日のお菓子は中区新栄・川村屋のわらびもちでした。
お茶菓子でわらびもちは珍しいですが、こちらのはこしあんが中に入っているので甘みは十分です。
お抹茶は熱田の妙香園・常盤の昔(ときわのむかし)、香りがよくて飲みやすいです。
二の丸茶亭には茶室もありますが、普段は見学のみです。
お茶菓子について
お抹茶と言えばお楽しみはお菓子ですよね。
お抹茶の場合はお菓子を先に食べきってから、お茶をいただくのが正式な作法。
先に口の中に甘みを含んでおいて、お茶で口の中をすっきりさせるという理にかなった作法です。
現在のような見た目も美しく、季節感のあるお菓子が出されるようになったのは、江戸時代初期(元禄のころ)から。
室町時代後半には交易によってカステラや金平糖などが「南蛮菓子」として伝来したため、そういったものもお茶菓子として出されていたそうです。
それ以前は木の実(栗、柿、カヤなど)、昆布、ふのやき(水で溶いた小麦粉を焼いたクレープのようなもの)、焼き餅、とうふ、ゴボウ、こんにゃくなど。この辺りは千利休も茶会に使用したそうです。
(千利休は今宮神社前のあぶり餅をお茶会のお菓子として出した記録もあるとか)
お茶菓子は大きく分けて「主菓子(おもがし)」と「干菓子(ひがし)」の二つ。
主菓子は饅頭、ねりきり、ういろう、など水分が多く、特に小豆を使ったものを上生菓子と呼ばれます。
もう一つの干菓子はらくがん、金平糖、琥珀糖(こはくとう)などを指します。
おススメ
名古屋城内のきしめん亭、おススメです。
城内散策中におなかが空いたら、きしめん亭で休憩もいいですね。
お城セットは、名古屋名物きしめんと味噌串カツのセットです(夏はころ=冷やしもできます)。
デザートの金シャチ焼も付いてます。
金シャチ焼。顔はいかつめですが、甘くてバターの香りがいいおいしい奴です。
長くなりましたが、それでは今回はこのあたりで。