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レッツ岡崎城
前回の茶室探訪から時間が経ってしまいました、第二回は岡崎城です。
(第一回はこちら)
岡崎城に茶室なんてあったかしら……と地元民でも最近まで知らずにいました。
ハイ、ありました。
その茶室が「葵松庵(きしょうあん)」と「城南亭(じょうなんてい)」で、完成は平成元年。
市民茶会や撮影などで利用できる有料の貸出施設のため、一般公開はされていません。
お抹茶を飲もう
しかし、城南亭の一部は立礼席(りゅうれいせき)の喫茶として開放されており、気軽にお抹茶をいただけます。
受付で先に注文と清算をして席で待ちます。
メニューもいくつかあって迷いましたが、シンプルにお抹茶とお菓子のセットにしました。
お抹茶はお隣、西尾産の「稲峰(いなみね)」、お菓子は地元・岡崎市福岡町の日乃出軒のもの。
シンプルな薯蕷(じょうよ)饅頭ですが、梅の焼き印が季節感を感じられていいですね。
お抹茶もほのかに甘みがあって飲みやすかったです。
変わった柄のお茶碗だなぁ……なんて思いながら飲み干すと……。
少し泡が残ってしまいましたが、底からお多福(おかめ)さんの顔‼
こんな面白いお茶碗もあるのね、と思わずニンマリ。
飲み終わったらお店の方に声をかけて、店を出ます。
葵松庵、城南亭の情報は下記のサイトを参考にしました。
用語解説
茶道用語ってなじみがないよね、ということで今回も解説させてもらいます。
せっかくなので、今回出てきた「立礼席(りゅうれいせき)」について。
立礼席はお点前をする亭主も、お茶をいただくお客さんも椅子席で行う茶会や茶室を指します。
椅子によって目線が高くなるので、床の間も少し高くなっています。
日本庭園やお城などで、お抹茶をいただけるところのほとんどは、立礼席になっているのでは、と思います。
お客さん側の椅子は、場所によって長椅子に毛氈(もうせん・フェルトカーペットのようなもの)が敷いてあったり、畳風の長椅子だったりと様々。
今回調べるまで、テーブルとイスなんて現代的だなぁ……、と思っていましたが、実は考案は江戸後期~明治初期の方で、裏千家のお家元。
裏千家第十一代玄々斎(げんげんさい)宗室が考案、明治5年(1872年)に開催された京都博覧会にて、立礼式のお茶会を催したそうです。
つまり、150年以上前にはあったということになります。
お点前をするためのテーブルを立礼卓(りゅうれいじょく)と呼び、流派によって形やデザインが変わります。
(※流派によって変わるのは家元の好みによるため)
私が通っている教室では立礼式は行わないのですが、畳と立礼、両方用意されている教室もあるそうで、同時進行で習ったり、片方だけ習ったり先生によって考えもそれぞれのようです。
玄々斎宗室 文化7年(1810)~明治10年(1877)
茶道裏千家第十一世玄々斎は、文化七年(1810年)に三河国奥殿藩七代藩主松平乗友の五男として生まれました。文政二年(1819年)の頃、10歳だった玄々斎は、男児に恵まれなかった裏千家十代認得斎(にんとくさい)の養子になりました。玄々斎宗室が京都博覧会のために考案した立礼席(りゅうれいせき)は当時の日本にとって画期的なものでもありました。これをきっかけに玄々斎は近代茶道の祖と言われます。立礼席の特徴は、亭主と客人の両方が畳の上で正座するのではなく、椅子に座ってお茶を楽しむところにあります。これは外国からの客人を招く際に本来の作法を崩したものです。しかし、そこで使用される道具は通常の茶道で用いられるものと同じであるため、一部の作法は異なるものの、道具や行われる作法は整合性が取れていて美しいものです。岡崎公園城南亭では、どなたでもお茶を楽しんでいただけるよう立礼式でお抹茶を提供しています。
おまけ
今回岡崎城へ行ったのは、お抹茶を飲むためだけでなく、切り絵の展示を見るためでもありました。
三河武士のやかた家康館にて令和7年1月26日まで開催中の企画展「紙を知り 紙に祈り 紙を切る! 奥三河花祭の伝承切り紙から切り絵師尾之善の現代切り絵へ」を見てきました。
奥三河地区に伝わる花祭りにて飾られる紙細工の展示、そもそも紙と言われるものはどんなものか、そして、尾之善氏の現代の切り絵など興味深い展示ばかりでした。
数年前、京都の本法寺に長谷川等伯の涅槃図を見に行った際、同寺内開山堂にて切り絵師・尾之善氏の展示が行われていました。
その際、尾之善氏が愛知県岡崎市出身ということで、「いつか岡崎で展示をやりたい。」と言っていたことも何となく覚えていて、年末にポスターを見た瞬間に「あ、あのときの!」と思い出しました。
尾之善氏も在廊しており、少し話すことができたので、「念願が叶ってよかったですね」と、声をかけることもできました。
私のように、京都で展示を見てという方も何名か見えて、話に花が咲いていました。
帰り際に、受付で切り絵御城印をゲット。これからのご活躍も期待しています。
それでは、今回の探訪はこの辺りで、はつみんでした。